仕入諸掛の会計処理

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仕入諸掛(しいれしょかかり)の会計処理

問題

 

代官山商店から商品を500円で仕入れ、代金は掛けとした。
なお、引取運賃50円については現金で支払った。

仕訳

解答

 

仕訳はこちら

仕入諸掛を商品の取得原価に含める本当の理由

さて、本日のトピックは仕入諸掛(付随費用)についてです。

 

商品を購入する際には様々は付随費用が掛かります。

 

クロネコヤマトの運送費
海外からの輸入に伴う関税

 

などが典型例です。

 

これら仕入れ時に諸々必要となる付随費用を仕入諸掛というわけですが、
受験簿記上は基本的には商品の取得原価に含めて処理することになります。

 

上記でいう、仕入が550になっていることからも分かると思います。

 

問題はその理由です。

 

受験用のテキストや講師が行う一般的な説明は下記の通りです。

 

「商品の購入に際して、運送費や関税などは絶対に必要不可欠な費用だから、
 このような付随費用はこれを購入時の商品価格に上乗せすることが必要です。」   と。

 

なるほど。

 

聞けばそう思うかもしれませんが、僕から言わせればこれは説明になっていません

 

なぜなら
商品購入に付随して係る費用と商品自体の価値に連続性はないからです。

 

つまり、500円で買ってきた商品の価値はやっぱり500円なのであって、
運送費やら関税は商品自体の価値を構成しないのです。

 

だってそうでしょう?

 

本屋さんで買ってきた1冊1,500円の本があったとします。

 

これを送料無料のアマゾンで買ってきた場合は1冊1,500円で手に入りますが、

 

送料120円を払って手に入れた場合、本自体の商品価値はいくらになりますか?

 

 

やっぱり1,500円なのです。

 

送料120円を加えた1,620円を商品の購入原価とするのは如何なものかと。

 

 

「商品の購入時に係る付随費用だから商品の取得原価にいれるべき」

 

この説明は会計処理の説明にはなっていますが、それがなぜなのかという理由の説明にはなっていないのです。

 

 

では、商品の購入時に仕入諸掛を取得原価に含める本当の理由は何か?

 

それは、

 

商品販売時に計上される収益に対応すべく、費用を繰り延べたいから  です。

 

これに尽きます。

 

まず、運送費や関税といった仕入諸掛は確実に費用です。

 

商品自体の価値を増加させるものではないからです。

 

しかし、この費用は商品を販売する時に計上したいのです。

 

買ってきた時に費用計上することは認められないのです。

 

なぜか?

 

それは、我が国の会計は「費用収益対応の原則」という超重要な原則があるからです。

 

費用収益対応の原則を簡単に説明すると
費用と収益は期間的に対応させなればいけないという原則なのです。

 

例えば、今回の問題で

 

×1期に500円の商品(付随費用が50円)のものを仕入れてきたわけですが、×2期にこれを2,000円で販売したとします。

 

 

☆仕入諸掛を購入時に費用処理したら・・・

 

第 1 期

第 2 期

収     益

2,000

費     用

50

500

利  益(△は損  失)

Δ50

1,500

⇒第1期は商品を売っていない(=収益が立っていない)のに赤字に。。。
  そのため、第1期の赤字と第2期の黒字が期間的に対応しない。

 

 

☆仕入諸掛を購入時に商品の取得原価に含める処理をしたら・・・

 

第 1 期

第 2 期

収     益

2,000

費     用

550

利  益(△は損  失)

1,450

販売した第2期に収益と費用が期間的にバッチリ対応する!

 

 

会計上は、運送費やら関税はやっぱり費用であるべきなんですが、
その費用化は購入時ではなく、売却時にしておきたい。

 

なぜなら、売却時の収益と対応させて費用処理したいから。

 

そのためには、購入時の費用処理を避ける必要があるわけでして、
費用計上しないのであれば、商品の取得原価に含めざるを得ない。

 

これが、購入時に付随費用を取得原価に含める真実です。

 

「費用収益対応の原則」というのは簿記の根本原則ですので、しっかり理解しておきましょう。

 

仕入諸掛に限らず、会計処理の背景を理解できるとより簿記が面白く感じると思いますよ。

 

これからも、奥が深く有益な情報をドンドンお伝えしていきます!

 

今回は以上です!

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